ALS 筋萎縮性側索硬化症
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AALSの症状

 発症は20〜60歳代と広いが、40歳以後に多く、平均発病年齢は60歳前後である。男性にやや多く、進行性で3年以内に多くは死亡する。

筋萎縮と脱力の訴えから発症する場合が多いが、線維性攣縮があり、知覚障害を認めない場合は本病が疑われる。

初発症状により病型を分類されているが、発症後2年以内にはすべての症状が出そろうことが多く、筋萎縮性側索硬化症への移行となる。

a.進行性球麻痺 progressive bulbar palsy (PBP)
球症状のみが出現する。
球症状:構音障害、嚥下障害、舌の麻痺および萎縮、線維束性攣縮など。

b.原発性側索硬化症 primary lateral sclerosis (PLS)
上位運動ニューロン症状のみが出現する。
上位運動ニューロン徴候:深部腱反射亢進、病的反射出現など。

c.脊髄性進行性筋萎縮症 spinal progressive muscular atrophy (SPMA)
下位運動ニューロン症状のみが出現する。
下位運動ニューロン症状:筋力低下、筋萎縮、線維束性攣縮など。

また初発部位により

a.上肢型:左右いずれかの上肢に始まり、ついで他側上肢、下肢、体幹、ついで球麻痺へと進行する。

b.下肢型:下肢に初発するものでは、前脛骨筋が侵され下垂足となる。腱反射は消失し多発性神経炎の病像と類似する。

c.球型:舌や顔面筋の萎縮を伴って、構音、嚥下障害で初発する。症状が進行すれば流涎や誤嚥、窒息を生じる。

d.混合型:四肢の症状と球麻痺とが同時に発症する。

 ALSは下位運動ニューロン障害による脱力と筋萎縮、上位運動ニューロン障害による腱反射亢進とBabinski徴候の出現が主要症状である。筋萎縮はALSの初発症状で、上位運動ニューロン障害に先行することが多い。

 筋萎縮の初発部位は上肢が多いが、下肢筋に始まることも、舌萎縮、嚥下障害などの球症状で初発することもあり、またまれに頸筋、呼吸筋に始まり、全身の筋に同時に始まることもある。

四肢に始まる場合は遠位筋に始まることが多いが、近位筋初発もまれでない。注意すべき事はいずれの筋に初発するにしても、筋萎縮は比較的急速に全身の筋に広がることがある。多くは初発部位は片側性であるが、早晩他側におよび、遠位筋とほぼ同時に近位筋も侵される。体幹筋、呼吸筋も障害を免れることはない。

 線維束性収縮が早期に見られ、筋萎縮に先行することもある。有痛性筋収縮も同時に早期から認められる。症状の進行とともに線維束性収縮も増加するが、筋萎縮が高度になると減少する。線維束性収縮はALSに特徴的ではないが、早期に筋萎縮の存在を示唆する症候の1つである。

しかし線維束性収縮は健康者にも見られることがあり、筋力低下、腱反射亢進などが明らかでなければ、それだけでALSを疑ってはならない。

 発病初期に筋萎縮の始まる部位にビリビリした異常感覚、筋痛などを訴えることがある。しかし病気の進行とともに消失し、他覚的な感覚障害は一般には認められない。

 発病は一般に緩徐であるが、時に比較的急速に発病することがある。

 上位運動ニューロン障害による腱反射亢進は初期から認められ、Babinski徴候またはChaddock反射は約70%に陽性である。筋萎縮が明らかでなく、下肢のつっぱりと尖足が強く、原発性側索硬化症を疑わせる症状で始まることが多い。

 体重は筋萎縮が強くなると同時に減少してゆき、末期には高度のやせに陥る。

 明らかな他覚的感覚障害を欠くほかに、本病では一般的に膀胱直腸障害はなく、これは仙髄Onuf核の保たれていることに対応した所見である。褥瘡も末期までなく、眼球運動障害もみられない。これらをALSの陰性四徴候という。しかしまれには軽度の膀胱障害、末期の褥瘡、感覚障害をみる例がある。家族性ALSでは膀胱直腸障害を見ることはまれではない。また人工呼吸器による長期生存例では、ときに眼球運動障害を認めることがある。

 血管運動神経障害はしばしば認められ、筋萎縮のある四肢遠位部は冷たく、チアノーゼを示し、ときに浮腫状となる。他覚的な自律神経症状はまれであるが、膀胱障害の他に、発汗をみることがある。

 精神症状としてうつ状態を呈することがある。脅迫笑い、脅迫泣きが進行例ではよく認められる。まれに痴呆を示すことがあり、筋萎縮に先行することも、遅れて起こることもある。





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