1、外傷性肩関節脱臼
[前方脱臼]
@肩に外転と外旋が強く働いた場合に起きる。
A外見上、肩関節外側部の丸みが扁平化し、肩峰の異常な突出が目立つ。
B肩関節自動運動は不能で、他動運動に対して疼痛と抵抗がある。
C整復し、包帯で3週間固定した後、固定を除去して自動運動を行わせるが、初期には外旋運動は制限しておく。
2、外傷性肩鎖関節脱臼
肩を下にして転倒した場合に、この関節に捻じれの力が働くと、肩鎖靱帯だけでなく烏口鎖骨靱帯も断裂し、肩峰が下方に脱臼する。
3、外傷性肘関節脱臼
@肩関節に次いで頻度の高い脱臼。後方脱臼が多い。
A肘過伸展が強制され、回外位で長軸方向に力が働くと、関節包、靱帯が破れて後方に脱臼する。
B外傷後、肘関節軽度屈曲位ないし伸展位でバネ様に固定され、自動運動不能である。
C尺骨神経麻痺を合併することもある。
D整復後、3週間ギプス固定をしてから自動運動を始める。
4、月状骨脱臼
手掌をついて倒れたときに起こる。
5、指関節脱臼
X線検査で容易に診断され、遠位方向に牽引すれば多くは容易に整復される。
6、外傷性股関節脱臼
[後方脱臼]
股関節屈曲位にあるときに、前方から強い外力が大腿骨頭軸の方向に加わると、大腿骨頭は関節包
を破って後方に脱出する。例えば、走行中の自転車の座席に座っていて、正面衝突した際、膝が強く打ち付けられたような場合に起こる。
股関節は内転、内旋、軽度屈曲位をとる。大腿は短縮して見える。股関節の自動運動は不能で、他動運動に対して抵抗がある。
合併症として、坐骨神経麻痺症状、大腿骨頭壊死を呈するものがある。
整復後、約3週間患肢に牽引をかけるが、2週目よりは耐えられる範囲で、股、膝、足関節の自動運動を始めたほうが良い。
7、外傷性膝関節脱臼
強い外力によって膝関節の過伸展が強制されると脱臼が生じる。前方脱臼が多い。膝関節運動が不能となり、著しい膝関節部の変形として大腿遠位端ないし脛骨筋近位端の異常な突出が認められ著しい動揺性がある。
膝下動脈が圧迫、損傷を受ける場合がある。この脱臼は、整復後のギプス固定期間に8年間以上を要するなど、治療は長期間に及び、かつ完全な機能回復の難しい外傷である。
8、外傷性足関節脱臼
足関節の生理的な運動範囲をこえて、屈曲、捻じれの力が加わると脱臼を生じる。
ほとんど全てに骨折を合併する。
■脱臼 目次
@脱臼の臨床像
A脱臼の種類
B脱臼の作業療法