認知症
■認知症 目次
@認知症とは A診断と評価 B治療とケア C作業活動の具体例   現在は認知症に名称変更しています

  

トップへ








B治療とケア



・基本的な考え方

痴呆の直接原因は脳の障害であるが,ここの痴呆患者の示す症状は,必ずしもも脳障害そのものの反映ではない、複数の要因が関与しているのが普通であるため、脳障害を一次要因とすれば、それ以外にもいくつかの二次要因があって、それらが相互に影響しあってその人の症状が形成されることになる。

個々の痴呆患者を前にしたときには、それぞれの要因がどの程度のものであるかを評価し、そのうち原因療法がある場合はそれを行うが、それがない場合、あるいは治療効果が不十分な場合は、悪条件をできるだけ除去することと、対症療法、治療的ケアなどによって対処することになる。

・身体機能低下について

痴呆患者には身体機能低下(ADLの低下)を伴う場合が多く、ADLの低下は痴呆と大まかに平行する。ADLの低下それ自体が痴呆を拡大する要因のひとつである。

ADL低下の原因は脳血管障害後遺症としての麻痺が多いが、関節痛や神経痛、打撲、骨折等の外傷によるものもある。

それらに対して身体機能の回復を計っていくのですが、痴呆患者の場合は一般的なリハビリテーション訓練のやり方がそのまま通用しない場合が多く、訓練が大きな負担になってかえって逆効果ということがおきるため、対象となる患者の心理状態を考慮に入れて、無理のないプログラムを工夫する必要がある。

接し方の注意

@行動の正常化を求めるより、まず情緒の安定化を重視する。 また、異常行動を直ちに排除しようとあせらずに、その背景にある情動障害を軽減することを目標にしてアプローチする。

A失敗行為をいちいち指摘しない、しからない。

B説明や説得は効果がない

C命令調、権威的、訓練調の接し方は不可

D保護的受容的な接し方を原則とする

・家族への援助

@患者の病状ついての説明

A日常介護に関する指導、助言

B社会資源についての情報提供

C家族自身の精神保健への配慮

・活動形態と種目

活動形態は、個別、集団とあり、痴呆の重度な者は個別対応を主とした小グループ活動を、中等度・軽度のものにはここの参加者によるセラピストの目配りができる範囲の人数による活動が適応となる。
注意・集中力の低下した痴呆老人には,短期間のグループ活動の中でもメリハリを持たせる。

ADL面

<食事>

食事動作はかなり維持できるものであるが,運動の協調性、姿勢保持がうまく行かないと、箸の使用が困難となり、スプーンやフォークでの食物の運びも不完全となる。

使いやすい食器を選ぶこと、ある程度の重さがあって安定の良いもの、フォークやスプーンは柄の長さ、太さ、大きさ、軽さ、市販でも様々な種類が出ているので考慮して選ぶ。

テーブルやイスの高さを適切にして、姿勢の安定を図る。姿勢がきちんと保持されて始めて上肢がうまく使えるということはすべての場面でいえることである。時には脚を切ったり、横木をとったりして適切な位置関係になるように整える。

時に動作が中断したり、スプーンに食物をうまく載せることができなくなる。そんな時は、手を添えて食物をスプーンの上に押せるところだけを援助したり、肘をそっと支えてあげると、後は自力で続けられることがある。

口に食べ物を入れたまま、咀嚼や嚥下をしないこともある。動作の中断は、何をしているかを忘れてしまうことにもよるので、「かみましょうね」とか「もぐもぐ」と言うと動作を続けられるかもしれない。軽く頬をたたいて促してみても良い。しかし、決して急がせてはいけない。


<更衣>
座位が安定していることが基本条件となる。とりあえずベッドに腰をかけていられるのであれば、横に座って腰や膝を支えてあげて、袖口をとおす、裾を引っ張るといったことは自力でやるように勧める。シャツや上着は背中での操作が難しいので、首の後ろから前に引っぱるように脱いでもらうとよい。


<入浴,整容>
滑りやすく転倒しやすい床、湯の入った浴槽、ガス釜、熱い湯や水そのものはいつでも危険な要素となる。安全に入浴を行うためには、壁や浴槽への手すり、床や浴槽内への滑り止めシールや吸盤つきマット、安定の良いイスやシャワーチェアーが役立つ。移動能力が高ければ、風呂用マットを敷いた上に座り込むほうが安定が良い。


<排泄>
 動作上の問題で移動が遅かったり、ズボンを下ろすのに手間取って排泄に失敗してしまうことが多い。排尿時間のパターンをつかみ、早めに誘導する。また、食事の後や寝る前など規則的にトイレに誘導し、排尿をパターン化できると良い。動作の上で負担が少ないという点では洋式便器が望ましい。


<起居・移乗>

寝ている高齢者を起こして立ち上がらせるとき、一つ一つの動作に十分時間をかけて行う。自力で起き上がれない場合(多くは身体機能の問題ではなく、どう体を動かしていいのか本人自身がわからない)、基本的には片麻痺の場合と同様,力があるか慣れているほうへ側臥位となり、足をベッドから下ろしながら上肢で体幹を支えて起き上がる。





■認知症 目次
@認知症とは A診断と評価 B治療とケア C作業活動の具体例   トップへ
Copyright(c) 2005 作業療法士なろう! All Rights Reserved
inserted by FC2 system