身体障害の作業療法 筋協調性運動その1

身体障害の作業療法目次
身体障害の作業療法
身体障害に対しての治療と訓練
筋力増強運動〜その1
筋力増強運動〜その2
筋持久力運動〜その1
筋持久力運動〜その2
協調性運動〜その1
協調性運動〜その2
神経筋再教育〜その1
神経筋再教育〜その2
全身調整運動〜その1
全身調整運動〜その2
関節可動域運動伸張運動〜その1
関節可動域運動伸張運動〜その2
感覚・知覚再教育〜その1
感覚・知覚再教育〜その2



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協調性運動






協調性とは

協調性とは運動を円滑に行う能力を意味する。これは筋自体の能力ではなく、中枢神経系の作用である。

運動を巧みに行うには、中枢神経系が多くの筋をどういう順番で、どのくらいの強さや速さで収縮させるかを調節しなければならない。

これには、その運動に必要な筋だけにインパルスを送り、不必要な筋にはインパルスを送らないようG調整する機能も含まれる。

また、筋、腱、関節などの固有感覚受容器や、視覚や聴覚からの情報処理能力も1要素である。



筋協調性の改善

筋協調性は、一定の姿勢、一定の運動の繰り返しによって、大脳皮質での運動の関与が脊髄化していくことで改善する。

これは、運動に関与していた意識レベルの調節機構が、運動を繰り返すことで無意識レベル(皮質下レベル)へと移行する過程である。

よって、筋協調性の改善は、意識しなくとも意図する運動が遂行できるようになることで確認する。

後天性障害の場合の改善は、筋群がいきなり新しい運動パターンを獲得するのではなく、既にあった運動パターンの部分を分解し、さらに再合成するといわれている。

協調性の1要素である敏捷性(びんしょうせい)は、シナプス通過時間が短縮され、刺激がより速く伝達されることで改善する。

これは刺激に対する反応速度と運動反復速度で確認する。





協調性改善の方法と研究

最小負荷での筋収縮(関節運動)を頻回に繰り返すことで筋協調性は改善する。このとき、筋収縮の「強さ」「速さ」「方向」「タイミング」の調整、筋収縮と筋弛緩の「きりかえ」を獲得させる。

小さい負荷→大きい負荷   遅い運動→早い運動    広い運動範囲→狭い運動範囲

単一関節→多関節   単一肢節→多肢節   開眼→閉眼   健側→患側

協調性運動は、順序として関与する筋数が少ない運動から開始して、脊髄化を促し、その数を徐々に増やす。

負荷が大きいと、主動作筋だけでなく、拮抗筋なども同時に収縮するため小さい負荷から大きい負荷へと段階付ける。

各関節、各肢節での運動からはじめて多関節、多肢節へと段階付けるのも同じ理由である。

ただし、適度な負荷や抵抗運動を用いることで関節運動や筋収縮が正しく行えることがある。

これは、固有関節受容器からの感覚情報が、関節運動方向の認知を助け、収縮させたい筋(筋群)の判断も助けると考えられる。

遅い関節運動で筋収縮に強弱を調節できるようになれば、動作に必要なレベルまで速い関節運動を試みる。

極度に遅い関節運動は、早い運動と比べてより多くの感覚情報処理を必要とする為、失調症を呈した患者さんの中にはみかけ上、早い関節運動ができるようにみえる者がいる。

しかし、速くともコントロール出来ていない関節運動は、動作自立につながらない。

視覚での確認(視覚からの情報)は、運動調節に大きな役割を持っている。実際の動作では関節運動や筋収縮を常に視覚で確認することはできないので、閉眼でも運動をコントロールできるようにする。

両側が障害されていれば、障害の軽い側から治療を行う。これは、筋収縮の認知が促しやすいからである。同じ理由で、健側があれば正しい筋収縮を認知してもらう為に用いる。






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