パーキンソン病

■パーキンソン病 目次 @原因及び症状について A評価及び訓練について B作業療法の主な目的 Cヤールの分類に基づく指導・注意点

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C パーキンソン病 ヤールの分類に基づく指導・注意点

ヤ−ルの分類

ステージT
症状は一側性で、機能的障害はないか、あっても軽微。

ステージU 両側性の障害があるが、姿勢保持の障害はない。日常生活、職業は多少の障害はあるが行いうる。

ステージV
立ち直り反射に障害がみられる。活動はある程度制限されるが、職種によっては仕事が可能である。機能的障害は軽ないし中等度だが、まだ誰にも頼らず1人での生活が可能である。

ステージW
重篤な機能障害を呈し、自力のみによる生活は困難となるが、まだ支えられずに立つこと、歩くことはどうにか可能である。

ステージX
立つことも不可能で、介助なしにはベッドに寝たきりかまたは車椅子の生活を強いられる。


ステージTU

@ 患者・家族指導;長時間の同一姿勢保持は避けるべきであり、1日の生活に規則正しいリズムを形成するよう助言する。

A ホームプログラム;散歩や体操などの全身運動を基本として、その中に症状に合わせて関節可動域訓練や筋力増強訓練などが含まれるよう考慮する。また薬効の時間帯に散歩や外出をするなど時間調節についても指導


ステージV

@ 患者・家族指導:過度な介護は患者の能力低下を招くため、ADLは時間をかけても可能な限り患者自身が行うように家族や介護者にも見守りの大切さを指導する。運動量を減らさないように、ホームプログラムを指導し機能を保つ。

A 上肢機能訓練:手拍子やメトロノームなどを用いた聴覚的刺激で反復動作をリズミカルに行ったり、視覚的な目標設定をおくとうまく遂行できる。ボール投げ、ボールけり、卓球など粗大運動、上肢挙上位でのぺグ棒の反転、紐結びなど粗大運動と細かな協調性運動が組み合わさった作業プログラムを選択する。

B 関節可動域訓練(ストレッチング):関節可動域維持・改善、屈曲姿勢の矯正、自動運動時の速度や範囲の拡大などを目的に行う。訓練は自動運動で一動作を速く、大きく行うことが望ましい。

変形や拘縮を起こしやすい肢位は体幹前屈、頸部前屈、肩関節屈曲、内転、肘関節屈曲、手関節軽度背屈、MP関節屈曲、股関節・膝関節屈曲などである。そのためとくに体幹・頸部、伸展・回旋方向への運動を重点的に行う。

C 筋力増強訓練:廃用性の筋力低下を予防し筋力を維持するため、サンディング、セラバンド、重錘バンドを利用した筋力強化を行う。

D 姿勢訓練:姿勢異常とくに体幹・頸部前屈は立ち直り反応を遅延させるだけでなく、発声言語、嚥下にも悪影響をおよぼす。前傾姿勢・ROM・バランスの改善を目的で棒体操、風船バレー、輪移動などを用いる。

体操の伸展―回旋を行いながら体重移動を促すよう作業時の姿勢や物品の配置に工夫する。最大の運動範囲を確保し、より効果的に施行するため起立台、ティルトテーブルを利用したり、フレキシスタンドなどの動的立位保持装置を用いるのも有効である。

E 嚥下訓練・間接的摂食訓練:顔面・頸部のマッサージを行い、舌、口唇、眼球、上肢の運動などをリズミカルに行わせることが重要である。

口腔内、舌表面、前頸部、頬などに冷却刺激を加えると有効なときがあり、また食前に氷水を口に含ませて吐き出すことを数回行うとよい。患者がリラックスして摂取できるよう姿勢やテーブルの高さなどのセッティングを行う。 ・直接的摂食訓練:食物の形態の決定や実際の摂食については医師、看護婦、STと協力して行う。

F コミュニケーション訓練:パーキンソン体操、腹式呼吸練習、発声練習などの機能訓練を行いながら、書字、タイプ、ワープロ、トーキングエイド、50音表など口頭以外でのコミュニケーション手段の方法を習得する。

練習はYES−NO表示がはっきりできる時期までは行うべきで、言語療法は心理的影響が訓練に強く関係するのでなるべくリラックスした状態で行う必要がある。

G ADL指導・訓練:ADLの自立は保たれていることが多いが、患者の訴えに応じて自助具の作製やセッティングのアドバイスを行う。

H アクティビティ:運動機能面では体幹の伸展運動を促しリズムのよい四肢の交 互運動が適しており、材料や道具の置く位置などで工夫できる作業を導入する。

マクラメ編みは壁にかけ体幹を伸張させる、革細工のスタンピングはリズムをつけて行う、ネット手芸は紐の長さや太さを調節するなどの工夫をして段階づける。


ステージW

@ 患者・家族指導:家族の介護能力を適切に評価し、場合により介護機器や社会資源の紹介などを行う。転倒は骨折や外傷により臥床を強いられ、患者・家族の不安や恐怖感を増幅し、生活をより一層不活発なものにする為、予防をすることが重要。

A ADL訓練:立位・歩行に比べ体幹の回旋が必要な起居動作、および食事、更衣、書字など上肢の巧緻性を要する動作が障害されやすい。起居動作についてはPTと連携をとる。上肢機能に関するものはスプーンの柄を太くしたり、軽量化するなど道具やセッティングの工夫を行う。

B 生活環境設定:歩行時に転倒を引き起こしやすく、安全性の高い生活様式を確立するため環境の整備が必要になる。家具の配置や整頓を心がけ、敷居の段差や滑りやすい材質の床などが転倒の原因。家屋改造(ベッドの高さ、手すりの位置を調整)指導する。またヘルパーや入浴サービス、ショートステイなどの社会資源の有効利用する為の情報提供を行うことも必要。

C QOL:グループ訓練などを活用し、外出の機会を提供しながら社会交流を促し、心理的サポートをする。趣味の拡大や家庭での役割の提供なども一つである。


ステージX

@ 患者・家族指導:起居動作が困難な場合、臥床は極力避け、ギャッチアップや 車椅子座位を積極的に行う必要がある。関節可動域制限は寝返りや座位などADLを低下させると共に、介助量を増加させるため、維持的関節可動域訓練を各関節最低5から10回、できれば1日2セット行うよう指導する。また緊急電話発信のできるワイヤレスリモートスイッチ送信機や同居者を呼ぶためのペンダント型無線コールは突然の症状変化の際に有用である。


参考文献
・聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部作業療法科:OT臨床ハンドブック.三輪書店,1999.



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