視覚失認

■失認  目次
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A視覚失認のOT 

@物体失認…両側の後頭葉

<病状・特徴>

・日常使用している物品を見せても何であるかわからず、触ったり、音を聞いたりすると認知できる。

<評価法>

・物体の認知のテスト。くし、鏡、眼鏡、鉛筆、などといった数個の日常物品を患者の前に並べて、名前を言われた物品を選び出させたり、その用途を言わせたりする。

 *評価するまえには、感覚性失語、失行の有無を調べておく。

<訓練>

・学習転移アプローチを用い物品の弁別練習を行わせる。 ・代償機能の指導をする。触覚で認知出来るのなら、物品を触って確認するように促す。

<注意点>

・非常にまれな障害のため、視覚失認の実在性そのものを疑わせる。



A色彩失認…優位半球の後頭葉・脳梁

<病状・特徴>

・色盲がないのに色の認知ができない。

・色彩がなくなり、白黒に見える。

<評価法>

・色カードの組み合わせ

 *評価するまえには、視力を調べておく。 (少し小さな字や絵を見てもらうなどの大まかな視力で良い。)

<訓練>

・色彩カードを使って色の名前を練習させる。

<ADL>

・一人で外出する際信号などの色がわからないと、危険である。



B相貌失認…両側の側頭葉・後頭葉

<病状・特徴>

・よく知っている顔なのに、誰だか識別できない。ただし声を聞くとすぐに誰だか識別できる。

・顔を見ても、怒っているのか、笑っているのかその表情がわからない。

 *物品の認知に障害はない。

<評価法>

 *評価するまえには、視力、聴力を調べておく。

<訓練>

・家族や医者や看護婦などの写真を使い、顔とその名前を覚えさせる。

<注意点>

・声を聞けばわかるが、聴力に障害があれば顔を見ただけでは誰か鑑別できないので、痴呆と誤りやすい。 ・親しい人の顔などもわからなくなるため、家族へのフォローが大切である。



C半側視空間失認…劣位半球の頭頂葉・側頭葉

<病状・特徴>

・病巣側・患側に視線を向けている。

・歩行時に重心が病巣側・患側に片寄る。

・病巣の反対側(患測)にある障害物に衝突する。

・横書きの文章を模写すると患側の一部の文章を抜かして書き写してしまう。

<検査法>

*評価するまえには、視力を調べておく。

・線分二等分試験

線分の真中に印を付ける。印が右に寄っていたら、左半側視空間失認であるを疑う。

・線分末梢テスト

紙に書かれた線分を抹消させる。線が1本以上残れば異常である。

*半盲、運動失行の有無を確認しておく。

・図形模写

簡単な家や花などの絵を模写させる。左半分が省略され、絵が完成されていないと左半側視空間失認を疑う。

*観念失行、運動失行の有無の確認をしておく。

・時計模写

円内に数字板を記入させる。本来の6〜11の部分が抜けると左半側視空間失認を疑う。

<訓練>

・まず、患者の視野に入ってから患側にまわり、患者の注意を患側に促すように、視覚、聴覚、触覚などのあらゆる刺激を与える。

・患者自身が自分で患側を見ることを強化するような動作を行わせる。

例)テーブル全体にコインを並べて患者に集めさせる。

・神経発達アプローチを用いて、患者に減退した全身の意識を促進する両側性の課題に取り組むようにさせる。

・障害に気づくように適切な指示を与え、代償動作を取りやすくする。

例)食事中には、患者に手がかりを与えたり、見落としを注意する人を付き添わせる。

お盆を使って、たどっていく。 <指導・注意点>

・座位では…

患側に体重が乗らず、健側に傾く。

・車椅子では…患側の足がフットレストに乗っていないのに気づかずにどんどん駆動させてしまう。 またブレーキを掛け忘れたり、外さずに動こうとする。ブレーキは忘れがちな患側から掛け外しの操作を行うように指導する。  ・歩行時では…

だんだん健側に寄っていき、患側の足元が不注意になり患側がつまずきやすい。外出の際、壁か車側に寄ってしまう。

・食事では…

患側にある食器やお皿の中のものも見落としやすい。その際、声のみで注意を促すのではなく食器やお盆を健側に持っていき、視覚から「患側を見落としている」ということを確認させる。

・常に患者の健側から話しかけ、健側に立つ。

<ADL>

左半側視空間失認のある患者は無視の症状だけでなく、不注意や病識の欠如といった劣位半球症状といわれるさまざまな障害を合わせ持っていることが多い。

このため不注意で落ち着きがなくなりADL全体が雑になるため、生活に大きな障害となる。そしてOTや家族の指導やアプローチを意欲的に取り組めなくなる。

こういう場合、指摘するのではなく、出来ないということを認め、患者自身に自覚させ、周りの人に理解と根気強い協力を求める必要がある。



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